admire [駄文]



雨が降って来た。

でも、傘がない

元を辿ればあたしが
悪いのだけれど


数時間前、あたしは
キノピオの家に遊びに行った。
久しぶりに遊べたものだから
とっても嬉しかったの。
ピーチとの噂話とか
最近話せなかったこと
いっぱい話した。
けれどキノピオは寝ぼけ眼で
何処か遠くを見てた。
「だから、最近忙しそうだけど
どうしたの??」
と聞いたら、
「キノピコには関係ないから」
そっぽを向いて
遠くを眺めていた。
「そんな言い方ないじゃない
あたしはキノピオが心配で」
「それが余計なお世話なんだ」
カチンと来て最後にこう言った。
「もう知らない!!
あなたくらいなら
他のキノピオの方がいいわよ!!」

あたしは何も持たずに
家を飛び出した。

それが災いをもたらしたのか
雨が降って来たのだ。
とても寒くてそういえば
天気予報は雨だって
言ってたのに。
と一人、後悔した。


そんなときキノピオの
姿を見つけた。
あたしは走り寄って声を掛けた。
しかし、
「あぁ、キノピコさんこんにちは」
キノピオを間違えた。
先程キノピオに
吐いた捨て台詞が
今更になって響いた。
「他のキノピオでいいとか
言う前に自分が彼氏と
見分けられないなんて
彼女失格よね」

あたしはその場に座り込んだ。
雨は止む気配すらなく
雷が轟いて更に
強さを増してゆく。


いつだって優しいキノピオ。
あたしが悩んでるときも
すぐに察してくれる。
いつの間にか支えになって
くれていたんだね。
なのに、あたしってば
支えどころか
重荷になっちゃって...


嗚呼、寒い景色が歪んで
身体が熱い。寒いのに
なんで身体が熱いの...
地面に身体が
打ち付けられようとした瞬間、

誰かがあたしの身体を
支えてくれた。
上を向くと彼がいた。
「キノピコ。」
「...き..ぴお.」
喋りたいのに
声がかすれて喋れない。
キノピオがあたしを抱きしめた。更に身体が熱くなる。
その熱くなった身体の
首筋に冷たい感触があった。
そっと手を当てると
チェーンのようなものが
ついていて、感触のままに
手でなぞっていくと
星のチャームのついた
ネックレスだとわかった。
慌ててキノピオを見ると、
「ボクからのプレゼント。
今日が記念日だもんね。」

あたしは察した。
キノピオが疲れていたのは
ネックレスを買うために
夜勤まで増やして
いたからだったのだ。
再びネックレスを見ると
目頭が熱くなって涙が
出てきた。拭おうとすると
キノピオが拭いてくれた。
「...あ..り.....が...と..」
かすれた声で伝えると、
「キノピコ、大好きだよ。
これからもずっと一緒にいよう」
キノピオの笑顔に安心して
思わず一緒に笑った。

そのあとは覚えていないが
キノピオによると背中で
眠っていたそうな。


風邪もすぐ治って
キノピオの家に遊びに行く。
いつものように
優しく迎えてくれる。
そんな幸せを改めて噛み締めた。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ゲーム・キャラ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

永遠の愛があるとあなたは信じますか|- ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。